ライラックの蓋棺
再び巡り逢う日を祈り。
あめがふるさむいよる。
わたしの大好きなおおきな竜は、
わたしをすてました。
「ねぇ、でぃら」
「……なんだ」
「あしたは、どうしてくるのかな」
「そんなこと、……聞いてどうするんだ」
いまおもえば、ドラゴンは、ディラは、
すこしどうようしていたのかもしれない。
「ううん、……べつに」
「ほら、もう遅い。……早く寝ろ。」
「うん、おやすみ」
またあした、というまもなくわたしはねむりについてしまった。
……それが、最後の言葉となるとは知らずに。