ライラックの蓋棺
____いつか人間と接触する時に戸惑わないように。
きっと、そういう事だ。
「ねぇディラ、……私のこと、初めから捨てるつもりだったの?」
休憩に立ち寄った小さな湖にて。
私の問い掛けにはその湖も、近くで鳴いている鳥も、健気に咲いている花も、自分の中にいるドラゴンも、誰1人答えてくれることはない。
理解出来た事が自分にとって良いものだったのか、痛みを含んでしまっては判断が鈍ってしまう。
……次の街まではあと数キロメートルほどだ。
小さな湖に別れを告げた。