ほら、そうやってすぐ死ぬ。
知ってたということを訂正せずに、私は「その『なでっこなでしこ』に登録してたからなんだって言うの?」と聞いた。
「暴力団組員に入っていたからっていって、なんだって言うの? なんて言えるか?」
「『なでっこなでしこ』は暴力団組員なの?」
「いや違う。もののたとえさ。『なでっこなでしこ』は見た目は普通のSNSサイトだが、会員登録をすると、とあるパスワードが配られる。アクセスすると真っ黒。」
「真っ黒?」私はソイラテをスプーンで混ぜた。
「麻薬、拳銃等の裏取り引きや可愛いものだと試験の答案を流出。そこには金が付き纏う。ブラックレインってところか。」
「つまり、無法地帯なわけ?」
「そういうこと。考えてもみろ。そういう裏社会での取り引きは表向きになってないだけで、必ず存在する。そして、そういう人種のおかげで日本の治安が守られているところもある。しかし、それが排他的。例えば高校生の俺達のような若い連中にまで広まるとどうなる?」
「秩序維持できなくなる。」
金子は頷いた。