ほら、そうやってすぐ死ぬ。
人間に値段をつけるべきではないのだろうが、結局、櫻子が200万、優香が150万。これが二人の命につけられた値段。
でも、これはあくまでもKの中での価値に過ぎない。Kが櫻子と優香を見ていた値段。
まるで、アクセサリー感覚だ。200万や150万のそこそこするジュエリー。けど、アクセサリーは同じものをつけっぱなしだとダサい。彼氏にプレゼントされたからとか、そう言う理由だとしても、やっぱりダサい。
Kはそれをよくわかっている。物の価値が。
それと同時に女を物として認識しているやばい奴。
まあでも、人間を物として認識している点で言えば、私も同じなのかもしれない。櫻子と優香の尻拭いでそれぞれ100万ずつ、合わせて200万。それがKの命の値段だ。私は見ず知らずの変態男、Kという人物に200万という値段をつけた。
ただ、ここで驚くべきは、唯一の肉親であった母さんにも値段をつけていることだ。400万。K二人分。そう考えると、人間の命って本当に軽いんだなって思う。A5ランクの高級松坂牛一頭分の値段とほぼ同じくらいになるんじゃないだろうか。またはそれ以下か。家畜と同等、またはそれ以下。
そう考えると、シーシェパードなんて可愛いもんだ。反捕鯨を掲げている海賊、シーシェパード。鯨は人間の次に頭のいい生き物だから、殺すのは反対という。アホの考えだ。頭が良いから殺してはならないなんて考えを持っている頭の悪い連中は、鯨以下の知能しかない。そう思っていた。しかし、ここまで頭が悪いと逆に愛嬌があって可愛く見える。政治家が漢字をしっかり読めないとイライラするが、おバカキャラで売り出しているタレントが漢字をしっかり読めないと笑える。そうこなくっちゃという気持ちになる。それと同じ。
自分より下に人がいないと、生きていけないのだ。部落差別を考え出した人って本当に頭が良いなと思う。
賤民の存在のおかげで、一体どれだけの農民が救われただろうか。私もクラスに私以上にいじめられる人がいればどんなに救われただろう。
部落差別を辞めた明治政府のおかげで、差別する人がいなくなった。身分という概念がなくなった。だから、探す。自分より下の者を。そうして、集団の場でいじめが横行した。それを苦に自殺する人も多くいる。
部落差別。賤民が今も尚存在していたら、きっといじめなんて言葉は存在しなかった。身分制をしっかりと教育していれば、賤民は虐げられるものだという固定概念が賤民の中でもあれば、きっと自殺をしなかっただろう。こういうものなんだと納得するはずだ。
本当に人間の命は軽い。ふがしのようにスカスカだ。