ほら、そうやってすぐ死ぬ。



「しかし、そうなるとまずいことになるな。」

金子の言う通りだ。

Kが私たちを良く思っていない。最悪、私たちを消すために追っていることも考えられる。顔も割れている。店内の防犯カメラで。

「でもかえって好都合じゃないかしら?」

「好都合?」金子は嘲笑するように言った。

「一緒に心中するには好都合って話か? 冗談じゃない。」

「そうじゃないわ。下手したらKと接触できるかもしれないじゃない。」

しかし金子は首を振る。

「Kは金井櫻子を消すために俺に頼んだだろ? 並木優香の時も同じ。きっとマイク・タイソンの時も、ボーイの時も同じだろ。俺たちが接触できるのは、KはKでも、殺し屋。KILLERさ。」

「上手いこと言うわね」私は笑った。

「笑い事じゃないぜ、まったく。」金子はやれやれといった感じでため息をついた。



< 176 / 219 >

この作品をシェア

pagetop