ほら、そうやってすぐ死ぬ。
私が一体何をしたんだ?
私はただKに会いにバーへ行っただけだ。櫻子と優香を殺したKを殺すために。そしてKが、人が死ぬところを間近で見たかっただけだ。
人が死ぬところを見てみたい。それだけなのに……。
ああ、私は本当に不幸だ。家族もいない。頼れる人は……まだいる。
金子だ。金子がいる。
そうか、私には金子がいるんだった。
金子も私と同じ境遇。いわば運命共同体だ。金子の心臓の鼓動を聴いた。それは私の鼓動と共鳴した。確証はないが、そうに違いない。
私がそう感じたのだから、金子も感じているはずだ。
人間は一人で生きていけない。私が金子を頼って悪いことは何一つない。
むしろ、金子も求めているはずだ。私という同じ境遇の人間を。求めているなら応えてあげようではないか。
少なくともこの危機的状況でも私ができることはそれしかないから。