ほら、そうやってすぐ死ぬ。
「俺は金井櫻子とKが愛人関係にあったと言った。間違いないよな?」
「間違いないわ。」しかし、私の感じた違和感には間違っているところがある。
「それを訊いてお前はKをどんな人物だと想像した?」
「40代の変態おやじかしら。」違和感。それは戸倉さんの言動だ。
「そうだろ。ただそれが全然まるっきり違うものだったとしたらどうする?」
「どうするって何よ?」戸倉さんはニュースを見ながら確かに言った。「早く犯人が捕まればいい。」と。
「だから、他に考えられることとしては何があるって話だよ!」
「そりゃ、もっと若い男……或いは……。」犯人はボーイだと連日報道されているにもかかわらず、どうしてそんなことを言ったのだろうか……。
「本当に男か?」
「本当に男か……って?」本当のことを知っているから。
本当のこと……? 本当に男か……?
私は血の気が引いていくような感覚に陥った。身震い。怖い。怖いと感じた。
ボーイが犯人ではないと知っている。そして、櫻子の愛人は男ではなく、女の可能性。
「K……K……香……。」
「いいか? お前の傍に居る……」
電話が切れた。しかし、もう十分だった。
それに合致する人物が私のすぐそばにいる。
Kが、すぐそこの部屋でもろこしあんを食べながらのんびりとしている!!