ほら、そうやってすぐ死ぬ。
「ぐっ……!」
ああ、これよこれ! 右手に伝わる心臓の鼓動。
とくんっ、とくんっ、とくんっ、どくんっ、とくんっ、どくんっ……。
ああ、どんどん弱くなっていく。消えるね!
「戸倉さん、今どんな気持ち? 何を考えてる? こういう時ってよく走馬燈のように過去のことが蘇るって言うけど、それって本当? その中に私はいる? 笑ってる? 笑ってないかなー。私、笑顔下手だもんね。でも見て戸倉さん! 私、ほら! 今こんなに笑えてるよ? 満面の笑みって言うのかな? 笑えるようになったんだよ! 戸倉さんのおかげで、笑えるように……。」
……とくっ……………。
ああ、消えちゃった。