ほら、そうやってすぐ死ぬ。
金子は電話に出ない。相変わらずだなと思う。
もしかしたら、私と話すよりも直接会おうと走っているのかもしれない。金子のことだ、きっとそうに違いない。
呼び出し音が続く、一定のところで切れる。私はまたかけ直す。でもまた切れる。
また切れて、でもまたかけ直せばいい。
櫻子が死んだ。
優香が死んだ。
佐野くんが死んだ。
母さんが死んだ。
金城が死んだ。
マイク・タイソン似の男が死んだ。
ついでにボーイも死んだ。
戸倉さんもここで死んでいる。
私にかかわったほとんどの人が死んだ。改めて私って疫病神なのかもと思った。
疫病神。でもいいの。そんな疫病神でも幸せになれるのだから。
電話がまた切れた。でも焦らず……。
かけ直す。胸が高鳴った。第一声をなんて話そうか。