ほら、そうやってすぐ死ぬ。
それにしても驚いたな。
母さんが再婚するなんて。
まあ、私にとってはお父さんが出来るってことなんだけど、今更お父さんなんて呼べないし、思えない。
ただの公認会計士の男の人。母さんのボーイフレンドくらいに思っていればいい。
ともあれ、幸せそうな母さんの表情を見てると、落ち着く。
不幸な事続きで、この不幸の連鎖からやっと解放できそうだ。
「母さん。ちょっと散歩してくる。」
「あっ、こら! ダメよ! 冷静にしてないとー!」
病棟内に響く大きな声でそう叫ぶ母さんに私は手を振った。
母さん。冷静にじゃなくて、安静にだよー?