ほら、そうやってすぐ死ぬ。
オレは、知っていた



すごくソウメイな目をしている。

ソウメイって漢字が思い浮かばないけれど、どういう意味かわからないけれど、あの目を一言で表すなら「ソウメイ」がピッタリはまる。

そんな彼は私と目が合い、バイオリンの弓を軽く挙げて「患者さん?」と聞いてきた。

「えっ、あっ、はい。」

羽織っていたニットカーディガンの前で腕を組み、視線を外してそう答える私。もしかしたら感じ悪いって思われたかもしれない。

でも、目を合わせると我慢ができなくなるの。

「そっか。実はね、ボクもなんだよ。ここの14階。」

「あっ、わっ、私も!」

「へぇー、キミも14階なんだ?」

何だろう。この、胸の奥底から湧き上がってくる熱くて、くすぐったくて、思いっきりジャンプしたくなるこの感じ。

「運命……かな?」

とくんっ。

まただ。


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