ほら、そうやってすぐ死ぬ。
ちなみに、私はあの茶髪の若いナース、戸倉さんとは友達になった。らしい。
というのも、自分の担当でもない日に私の病室に顔を出しては、
「よお! 我が友、シャエコ!」
と八重歯が邪魔しているのか、意識しているのか、舌っ足らずなアニメ声で私の名前を可愛く呼んで、肩を抱いてくる。
はっきり言ってうざい。
うざい……かあ。これは友達じゃない、赤の他人に抱く感情。
でも、本当に仲の良い友達。心からの親友に対してもこういう、うざいという感情が出てくるんじゃないだろうか。
ワインでいうところの寝かせれば寝かせるほど味わい深くなっていく、ファーニエンテのように、友情もそれと同じで、長年大事にしていれば、熟成されて、悪口を愛嬌に感じるほどに、仲も深まっていくんじゃないかと思う。
ファーニエンテ。母さんの好きなワインだ。