ほら、そうやってすぐ死ぬ。



「はじめまして。金城です。お父さんって呼んでね? なーんてねっ!」

あははっ、こいつ殺したい。

「それにしても、紗栄子ちゃん、可愛いねー。胸おっきいし。いくつ?」

私はそれには答えず手で「2」を作った。

「紗栄子ちゃん? どういうことかな?」

「胸。2つですよ。右と左に。何なら触ります?」

ほら、ボロが出た。眉間にシワが寄ってる。この人はキレやすい人だ。

「こら! 紗栄子。金城さんに失礼でしょ!」

「失礼でいいじゃん。家族になるんだし。」

そう。これを言ってしまえばこの「金城」には何をやっても許される。

家族は許し合うものだし。

「ね? 金城。」

金城は苦笑いで「そうだよ、紗栄子ちゃん。」と言った。


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