ほら、そうやってすぐ死ぬ。
「確かに。ボクはあの人を好きになっていない。むしろ保険金のために殺そうとしているくらいさ。誰でもよかった。」
「誰もよかったは、嘘ね。母さんじゃないとダメなのよ。未亡人でころっと落ちやすい、股の緩い女。」
「キミは本当に賢いね。」
そう言って金城は私の胸の前にナイフをあてがった。
「……キミを殺したくない。しかし、知られてしまった以上は殺さなきゃなるまい。残念だが、幸いここは人通りが少ないようだ。」
しかし、私は動じない。
何故って?