ほら、そうやってすぐ死ぬ。
最後のファーニエンテ
金城は従順且つ忠実だった。
母さんに2000万の保険金をかけ、自殺に見せかけて殺す、保険金殺人を当初から計画していたらしい。
その計画は既に5年前から始まっていて、たまたま立ち寄ったスナックで母さんを見つけ、ターゲットに選んだらしい。金城は手始めにスナックの常連客になることから始めた。
金城は母さんに惹かれるようにいろんな話をした。教養のあるものから、お茶目なものまで。金城の話は母さんを虜にしていった。やがて、金城はありもしない身の上話までするようになり、母さんの心を奪った。
得意げにこう話す金城に私は心底苛立った。