ほら、そうやってすぐ死ぬ。



ならばと金城は自らがロープで母さんの首を絞めた後、自殺に見せかけて遺体を吊るすと言った。

欠伸が出る。

「最近の警察なめてんの? そんなの検死解剖ですぐにわかるわよ。首にある鬱血痕とかロープ縄目とかでね。」

金城が感心したように口を「お」の形にする。

「それに、遺書はどうするの? 首締める前に書かせるの? どうやるの?」

金城は腕組み考え、ならば自分が書くと言う。

「アホか! 筆跡鑑定であんただってすぐバレるわよ!」

私は金城の頭を叩いた。

ムースがついてガチガチになった髪の感触が気持ち悪く、いよいよ腹が立ち、思わず尻を思いっきり蹴ってやった。


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