ほら、そうやってすぐ死ぬ。
「もう、そういうチマチマしたことは必要ないの。いい? 秘密を知る人が多いほど、バレる確率が増えるのと同じように、計画が長引けば長引くほど、バレる確率も増えていくのよ?」
金城はならばどうすればいいと聞く。
「手っ取り早い方法があるわ。母さんのスナックの店仕舞いを手伝いなさい。そこで、お金の計算なんかをしてる時に、晩酌でもすればいい。その意味はわかるわよね? そう、睡眠薬。それをお酒に混ぜる。母さんが眠ったところで店ごと放火してしまえばいい。母さんは煙草を吸うから、その不始末だとか、いくらでもでっち上げれるでしょ?」
金城はメモを執りながら時々、煙草の不始末はどうでっち上げればいいかとか、そこではどういう会話をしたらいいかとか、つまらないことを聞いた。
私はそれに対して、時に丁寧に時に投げやりに答えてやった。それを金城はふんふんと鼻息を荒らげながら聞いた。まるでどちらが年上なのかわからない。
それから金城はいつ決行すればいいかも聞いた。
「今夜中。」私は答えた。