ほら、そうやってすぐ死ぬ。



金子の弔辞は、手短で、ネットから引用してきたかのようなありふれたものだったので、割愛。

それから出棺が終わり、解散。まだお昼前で、私は優香と一緒にファミレスに立ち寄った。

テーブルの上に置いてあった塩をお互いに振りかけ合い、ウェイターから注意されたが、争いごとが嫌いな私とは裏腹に優香は気が強く、自分が優位な位置にいると、ズバズバ言う。

「葬式帰りなんです。これくらい大目に見てもらえませんか?」

「困ります。周りのお客様のご迷惑になりますから。」

「ご迷惑? 塩を軽く掛け合ってるだけで何の迷惑になるの? 花粉やPM2.5みたいに料理に飛んで健康被害に悪影響ですか?」

そこまで言われると、ウェイターも何も言えなくなり、私達と関わり合おうとはしなくなる。

いつもそうだ。

優香はことある事にクレームを付ける、クレーマーだった。

難癖つけては、値切ったり、電話を掛けたりする。

このまま優香が結婚でもして、子供が出来たら、史上最強のモンスターペアレントが生まれてしまうだろう。



< 9 / 219 >

この作品をシェア

pagetop