ほら、そうやってすぐ死ぬ。
金子の弔辞は、手短で、ネットから引用してきたかのようなありふれたものだったので、割愛。
それから出棺が終わり、解散。まだお昼前で、私は優香と一緒にファミレスに立ち寄った。
テーブルの上に置いてあった塩をお互いに振りかけ合い、ウェイターから注意されたが、争いごとが嫌いな私とは裏腹に優香は気が強く、自分が優位な位置にいると、ズバズバ言う。
「葬式帰りなんです。これくらい大目に見てもらえませんか?」
「困ります。周りのお客様のご迷惑になりますから。」
「ご迷惑? 塩を軽く掛け合ってるだけで何の迷惑になるの? 花粉やPM2.5みたいに料理に飛んで健康被害に悪影響ですか?」
そこまで言われると、ウェイターも何も言えなくなり、私達と関わり合おうとはしなくなる。
いつもそうだ。
優香はことある事にクレームを付ける、クレーマーだった。
難癖つけては、値切ったり、電話を掛けたりする。
このまま優香が結婚でもして、子供が出来たら、史上最強のモンスターペアレントが生まれてしまうだろう。