ほら、そうやってすぐ死ぬ。
私のように東京生まれ東京育ちの女子高生は、着ていく服はシーンに合わせて、尚且つ、コスパのいい服を高そうに見せるために着こなす。
今日のコーデは比較的手抜きで、グレーのパーカーに、黒のスキニー。黒のスニーカーに、リュックサックとニット帽は隣の席に寝かせてある。
別にこれでいい。この後、戸倉さんはカラオケに誘ってくるだろうが、別におしゃれではないけれど、ダサくもないと思う。
対する田舎者のF1層、戸倉さんは、地方の出にしては、おしゃれなコーデだ。
白のセーターの上にベージュのチェスターコートを羽織り、ワインレッドのチュールスカートとムートンブーツ。おまけに黒のハットを被っている。
ただ、いくらおしゃれでも、この時間のマックには不釣り合いで、1人だけ確実に浮いている。
彼女はこれからどこに行くのだろう。どこに行きたいのだろう。