ほら、そうやってすぐ死ぬ。



にも関わらず、どうして学校に行かなくなったかというと、答えは単純で、遠いから。

戸倉さんのアパートから学校までが物凄く遠いのだ。

電車で45分。ああ、考えられない。

45分間もサラリーマンの肩に背中を預けたくない。気色悪い。

それにもうすぐ卒業だ。母さんが死んで進学ができないのは痛かったが、別にやりたいことがあったわけでもないし。

まあ、何とかなるだろう。いざとなれば、汚い仕事でもすればいいや。

私は楽観視していた。そうすることで、かえってこの状況が楽しいものに思えてくるのだ。


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