好きって、伝えたら



しばらくして美眞が足を止めた場所は、何にもない空き地だった。




『ここにあったんだってさ。
顔も覚えてない家族の家』




沈んだ声…


きっと、美眞がまだ少しだけ愛されていた場所。


そして、家族がバラバラになった場所。


顔さえ、わからないんだよね。




『大嫌いな場所のハズなのに、こうしてたまに着てしまう。』


「…」




やめて…


そんな顔しないで。




美眞の手首をぎゅっと掴む…





< 148 / 283 >

この作品をシェア

pagetop