好きって、伝えたら
ー洋太 saidー
「これで…良かったんだよね?」
夕空が教室を飛び出して、数分が経ったとき、小さく美湖は呟いた。
俺の袖口をぎゅっと掴み、今にも泣きそうな目で俺をみつめる…
そんな目で…見るなよ。
好きな子の悲しい涙なんて、見たくないんだよ!
だからさ…
『俺にしなよ…』
「へ?」
『夕空じゃなくて、俺じゃダメなの?
ずっとずっと…美湖が好きなんだよ!』
俺じゃ、頼りにならない?
俺じゃ、心細い?
『…もう、泣きそうな美湖…辛くて見てらんないんだよ。』
「洋太くん…?」
気づいたら美湖を抱きしめていた…
ずっとずっと、こうしたかった。
でもこれはただの自己満足にしか過ぎないって分かってる。
ゆっくりで良いから…
ねぇ?