好きって、伝えたら



目を閉じると、キッチンから水の音や食器の当たる音…


他にも窓の外の音が聴こえる…


今日は夕空にいっぱい、心配かけてしまった。


せっかく、勉強教えてもらおうとしたのに…


ダメだなぁっと思いつつ、テーブルの下に目を向けると、アタシの数学のノートに綺麗な夕空の字で様々な公式が書き揃えられていた。


自分のテス勉、してもいいのになんで…


美湖ちゃんにも優しかったように、アタシにも優しい。


それにアタシも応えたい。


夕空にされてばかりではなく、アタシから何か出来れば…



『寝れない?』


「うん…、洗い物までごめんね」


『いいって。
熱、明日には下がればいいけど…』



洗い物を終えて、部屋に戻ってきた夕空は、アタシの頬に手を当てた…


水で洗っていたせいか、少し夕空の手が気持ちいい…



『てか、弱ってる凛時…そそる』


「は?」


『ごめんって』


「もう…!」




夕空の笑った顔、落ち着く。


アタシの笑顔は、夕空からしたらどうかな?





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