好きって、伝えたら



昼休み、紀衣は颯爽と愛登くんのところへお弁当を持って行ってしまった。



「紀衣はいいよねー」


『ははっ、彼氏からしたら愛妻弁当的なやつだもんなー!』


「愛妻弁当…アタシには無理だ!」


『凛時は不器用やもんなー』



そうケラケラバカにする創。


でも、つくづく創がすごいことを思い知らされる…


遠距離恋愛とか、アタシには絶対出来ない自信しかない。


今ですら、遠くから夕空の姿を見られるだけでも良いのかもしれない…



「創はすごいよね」


『まぁ、互いに忙しい日もあるし、毎日っとまでは言われんけど、夜に電話しとるしな』




そう言って、創は彼女のLINE履歴をアタシに見せてきた。


そこには通話履歴がズラッとあり、たまにおはようLINEや、おやすみLINEがあった。



「すご…」


『互いに忙しい日は“おはよう”か“おやすみ”は言ってるかな』


「なるほど……」



アタシのLINE履歴といえば…

随分前に終わっていた…



『凛時もLINE送ったらええやん?』


「いや、アタシそんなメッセージ力ないし…
いつも、“分かった”とか短文の絵文字付けないよ?」


『げっ…素っ気な』



うぅ…やっぱそうなるのか。


理想の彼女からのLINEってなんだ!?






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