好きって、伝えたら



6限終了のチャイムが鳴り、みんな颯爽と教室を飛び出して行く…


あっという間に、静まり返った教室の空気は重くて…


凛時が座る机の前に行くと、思いっきり顔を逸らされるハメになり…



『なぁ、凛時』


「…アタシは別れたくない!」



…………は?


え、ちょっと…



『お前、何言ってんだよ?』


「だって、あのLINEの意味そういうことを伝えるためだったんじゃないの?」


『は?
いや、そんなこと少しも思ってねーし』


「え?」



キョトン…とした顔をする凛時はその瞬間、頬を赤くした…



『ばーか…
俺がお前を離すわけねーだろ。』


「…」


『なぁ、こっち向けよ…』



凛時の頬に触れる…───

なんだかすげー久しぶり…

凛時に触れたのって、思えばテストが終わった日以来かもしれない。



結局、凛時から全然触れてこないし…



『ごめんな…
構ってやれなくて』


「べ、別に…そんなんじゃ」


『強がんなって』


「強がってなんか!……ない」


『お前、寂しがり屋だもんな』



頬から手を離し、凛時の頭を撫でた。

すると凛時は耳まで赤く染めて…


その姿が可愛くて、苛めたくなる衝動にかられてしまう。



『凛時…』


「ん?」




もう一度、頬に手を触れ、凛時にキスをした…───


ゆっくり唇を離しても、嫌がる素振りを見せないことを確認して、もう一度キスをする。



「ずるい…」



すると、凛時にネクタイをぎゅっと掴まれて引き寄せられた…


えっ…────


次の瞬間、触れた凛時の唇


ゆっくり離されると、また優しくキスをされた…



『り…と』


「夕空ばっかりずるい…
あたしからも、夕空に触れたい」



…ったく



『どうなっても知らねーよ?』



お前を離すわけねーだろ。

俺に、もっと触れてこいよ…




─夕空 side end─




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