好きって、伝えたら
⇒二人きりのクリスマス 前半
冬休みに入り、クリスマス当日を迎えた朝。
お揃いのニットに袖を通して、鏡の前で思わず笑が溢れた。
お揃いの服って…ものすごく恥ずかしいけど。
でも、二人で並んで歩く時の方が倍以上、恥ずかしいんじゃ…!?
うぅ…アタシにはハードルが高いって。
それに…
テーブルの上に置いた紙袋をみつめる。
お揃いのマグカップ…
三日前に紀衣に
「クリスマスプレゼント何にする!?」
と、聞かれたのだ。
クリスマスをどうでもいい日と認識していたアタシは、当然クリスマスプレゼントだなんて単語は頭になくって。
急遽、紀衣に買い物に付き添ってもらい、色々とプレゼントのアドバイスをもらいながら、なんとか無事に用意することができた。
でも、ラッピングの直前に気付いたのは二つ同じ箱だってことだ。
それを紀衣に聞くと
「それはあれだよ!!
夕空くんの家に置かせてもらうんだよ!」と。
紀衣に言われるがまま、同じ箱にマグカップが二つ入ったまま…
でも、これだと重くて荷物になるから、待ち合わせしないで夕空の家に直接行こう…
それなら重くないし、迷惑がかからないよね?