好きって、伝えたら



授業中、出来るだけ美眞を視界に入れないようにした。


見たら、きっと授業に集中出来なくなる。


だって今でさえ、心臓がドクドクと鼓動が速くなっている。


全く授業内容が頭に入らない!


すると美眞が小さな紙をアタシの机に置いてきた。


恐る恐るその紙を開くと…


【足、大丈夫?】


と、達筆で書かれた字。


あの日から一週間あまりが経った。


当然、足を引き摺ることなく歩けている。


心配…してくれてたんだ。


筆箱に入れているメモ帳を一枚ちぎって、大丈夫とだけ書いて美眞の机の上に置いた。


先生にバレないように…


するとそのメモ帳がすぐに返ってきた。


開くと、


【なら良かった。
次から気をつけろよ、バカ】


と書かれていた。


ムッ!


バカは余計よ!




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