未来の旦那様~ seven of the prince ~
こんなウエディングドレスが着れたら、
きっと花嫁さんは幸せだろうなぁ。



「一番女性が輝く日

そして、自分や親戚の中で
一番思い出として残る日ですから。

だからこそ、どんな要望にも答えて、
一番素敵なものを作りあげたいんです」


「素晴らしい考えですね。
それに、ベールもとても良いです。
美しくもあり、可愛くもあり」



「清浄のシンボルであり、花嫁を邪悪なものから守ると言われているそうです」


「ウエディングベールにそんな意味があるんですか?」


「母から聞いた話ですが――。
ベールダウンセレモニー。
母に体験をさせてあげたかったですが、
俺は、男ですからね」



ドレスをみながら、儚い目をしていた。



「ご兄弟は居ないんですか?」


「母一人子一人です。
未婚の母として、俺を育ててくれている
心配性で頑張り屋なとても偉大な母です」


「とても良い方なんですね」


「まぁ、そろそろ高校に上がったので、
心配をあまりして欲しくは無いですがね」



思わず、笑みがごぼれてしまった。



「しっかりしていても、まだ、考え方は
年相応なんですね」


「酷くないですか?」


「全然、酷くないです」



お互いに笑っていた。



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