未来の旦那様~ seven of the prince ~
さっきの明るい笑顔とは違い、
最初の儚い顔に戻っていた。



「お姉さんの事は聞いてるから、
僕の事の話も聞いてくれる?」


不安で今にも泣き出してしまいそうな顔でこちらを見つめてきた。


「うん、聞かせてくれるなら、いくらでも聞くよ」


「うん、ありがとう。

僕も、宥ちゃんと同じで母子家庭だった。

僕のお父さんは、僕が産まれて二年で病死したんだって、元々、そんなに体が強い人ではなかったみたいで。


だから、母親同士も気があって、僕たちも自然と仲良くなっていったんだ。

その時から、ピアノも弾くようになったんだ。

お父さんも音楽好きだったらしいから、
ピアノが家にもあった。

どんどん弾けるようになっていくのが楽しかったし、お母さんも喜んでくれてた」


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