フィンセはナンバー1
の顔をじっと見つめた。


「……!!」

 近づいたその顔は、テレビの中の向こうで観る、りく君だった!?

 ど、どうして、りく君がこんな所にいるの……?

 りく君は、あたしをじっと見つめた。


 ドキンドキン……。


 りく君に逢えただけでも、心臓がドキドキなのに、こんなに見つめられたら、心臓が爆発しそう。


「あ……あの。り……く君」

 あたしは、やっとの思いで声を出す。


 りく君はいきなり、あたしの腕を掴むと、インターホンを鳴らした。

 でも、中から応答はなく、しーんとしたままだった。

 いきなり、有名人が門の前に立っているんだもの、メイドさんだって、驚いて声が出ないのかも知れない。

 そう思っていたら、門がゆっくりと開いた。

 りく君は、あたしの腕を掴んだまま敷地の中へ入って行くと、玄関のドアを開けた。


「ちょ、ちょっと!!」


 本当にりく君なの?勝手に入ろうとしているなんて信じられない。


 怒られるー!!


 びくびくながら、入って行った時だった。

「お帰りなさいませ。陸斗様」

 執事の金森さんが、りく君に向かってそう言った。


 陸斗様ー!?
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