甘いささやきは社長室で
「今夜空いてますか?ついでに食事でもどうかなと」
「食事、ですか?」
「えぇ。美味しいもの食べながら話しましょう。自分がおごりますから」
私からの相談、ということは重い事態だと察してか、三木さんは優しく笑うと私の肩をぽんぽんと叩いてくれる。
……気遣って、くれてるんだ。
三木さんも、優しい人だなぁ。
「……じゃあ、銀座でお寿司が食べたいです」
「真弓さん!!?」
ぼそ、と意地悪いことを言ってみせると、それまで頼もしい笑顔を見せていた三木さんは一瞬にして不安げな顔になる。
そんな彼の表情がおかしくて、ついクスッと笑みがこぼれた。
気にかけてくれる人がいるのは、心強い。
その優しさに、甘えて。気持ちを打ち明けてみよう。