先生、ずっと好きだから。

退部

「やめよう、かな」
「ど、どうしたの。瑠奈」
不意に出た言葉に驚く美里。
美里には部活のことをすべて話した。

部活の練習に行く事がストレスになっていること。
空とすれ違っている事。

「そっか…」

「もう、苦しいんだ…。行きたくなくて…」

「そんなに苦しいなら無理する必要ないよ」

「美里…」

「1度きりの人生なんだよ?しかも、一度しかない高校生活。瑠奈のやりたいことをしないでどうするの?」

「で、でも、部活のみんなや先輩、先生とかは大丈夫かな?」

「大丈夫。なんかあったら守ってあげる。あの先生ならそんなこと許さないはず」

「美里、ありがとう」
いつもはそんなこと言わない美里の口から一番聴きたい言葉が聴けて嬉しかった。


その1ヵ月後、私は先生に退部届けを出した。
それからあまり顧問の先生とは話さなくなった。
「あ…」
違うクラスの空とすれ違う。
いつものとおり、
魅羽ちゃんと仲良く喋っており、すれ違う私のことなんか気にも留めなかった。
「瑠奈」
ポンッと私の背中を美里は叩く。
「気にしなくていいよ、瑠奈。人とのつながりは1つだけじゃないんだから」
「ありがとう…」

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