【短編】俺が好きにさせてやるよ~Valentine love♡~
チョコレートと変化
材料を書き出し終わると、
ケータイがまた鳴った。
先ほどの返事だ。
【好きにさせてやる】
そう一言。
「…ふふっ…川路先輩って
面白いかも……」
かっこよくて、優しくて。
っていうのがみんなのイメージだけど、
本当は全然違くて。
かっこいいのはそうだけど、
面白くて、話しやすいひとだ。
王子様なんかじゃない。
等身大の男の子だ。
すこし、嬉しくなるあたしの気持ち。
「……?」
胸に宿る変な感覚。
「あたし、おかしいな…」
ちょっとだけ、
先輩に惹かれている自分がいることに
気づいたような気がした。