【短編】俺が好きにさせてやるよ~Valentine love♡~
それから放課後に。
「今日は…帰れる?」
「…先生に用あって…
遅くなっちゃ悪いから
先に帰ってて」
「そっかぁ、残念っ!
じゃあまたね!」
今日も乃々のお誘いを断り、
あたしは教室でずっと座っていた。
教室に残ったのが
あたしだけになり、教室もかなりオレンジ色に。
……ドクンドクン…
胸の鼓動が明らかに外に聞こえている、
と思うくらい大きな音で鳴っている。
…
「あ、居た」
聞きたかった声が聞こえて
バッと顔を上げると、
会いたかった顔がそこにあった。
「…先輩」
「俺、ずっと待ってたんだけど?」
「ごめんなさい…」
先輩の教室に行くと言ってあったのに、
行かなかったからだ。