あなただけを、愛してる。
「あの…この間は助けていただいてありがとうございました。あの、いろいろ考えたんですけどやっぱりなんか煮え切らなくて…お礼させてもらいたくて…。」
律儀。
硬い女だと思った。
「お礼なんていらないよ。社員を助けるのは当たり前だから。」
なんて丁寧に、営業スマイルで言う。
「でも…。」
なかなか引き下がらない彼女。
本当に硬い女だ。
「わかった。じゃあご飯作って。」
「え?」
俺も、自分の口から出ている言葉に驚いた。
「あ…は、はい。そんなことでよければいくらでも。」
彼女の笑った顔に、不覚にもときめいた。