あなただけを、愛してる。
Ⅳ said晴
昼間の光景が脳裏から離れない。
唯子の髪をなでる桜井と、
恥ずかしそうにはにかむ彼女。
噂は、本物だったのか?
彼女に連絡を入れたがまだ返ってこない。
その光景をたまたま見てしまった俺。
唯子が、とられるかもしれない。
そんな考えが頭を走った。
そして夕方、
”待ってます。ご飯はいりますか?”
昼間のもやもやは少しだけ取り払われて、ホッとする。
俺は、情けねぇ。
どうしようもなく、唯子が大切になってしまったんだ。
”ハンバーグ、作ってほしい”
唯子は俺だけのもの。
そう堂々と言いたかった。