あなただけを、愛してる。
「最近不機嫌な日が多いですね。」
会社の入り口から社長室へ向かう途中、隣を歩く青木からそういわれた。
「メイ様となにかあったんですか?」
「ああ、少しな。」
適当にごまかした。
俺の機嫌が悪いのは、唯子と桜井が仲良さげに休憩室で話していたから。
話の内容は聞こえなかった見ているだけでむしゃくしゃした。
嫉妬。
まさか俺がそんな感情を女に抱くとは思わなかった。
唯子は俺だけのものだって、はっきり言いたかった。
唯子を誰にも渡したくなかった。