あなただけを、愛してる。
あの後2人は完全に潰れてしまい、残った桜井くんの部署の人たちとなんとなく話していた。
「でも、桜井ももったいないよな。あんなやつ放っておいても女寄ってくんのにわざわざ唯子ちゃんのこと待つなんて…。」
「ほんとな。でもそんだけ唯子ちゃんに本気だってことは見てりゃわかんだろ。」
桜井くんの部署の同期、夏目くんと日野くんがそんなことを言う。
「唯子ちゃんもさ。なんだろうね、この2人のもったいない加減。なんでわざわざ片思いなんて、つらくないの?」
そんな質問を投げかけられ言葉を一瞬失ってしまった。
本当に、なんでだろう。
わざわざ涙ばかりの片思いなんてせずに、優しくて完璧で、私のことを思ってくれる桜井くんのところへ行けばいいのに。
「うん、桜井くんなら、私のことちゃんと大切にしてくれると思う。」
「じゃあ、なんで?」