あなただけを、愛してる。



「唯子、このまま家行っていい?」


私の返事は決まっている。


やめなきゃいけないのに。
彼を好きなのは、やめなきゃいけないのに…。





「…社長。」

社長の車で私の家まで送ってもらい、そのまま彼は私の部屋へ上がった。

それと同時に抱きしめた。


「…好きだ。唯子…。」


涙が出そうになる。

彼から言われる”好き”は、こんなにも私を狂わせる。


「私も、晴さんが好き。」


吸い込まれるようにお互いを求める口付け。


その合間に何度も彼は私に好きと言ってくれた。


「待っていてほしい。絶対に、唯子を幸せにするから。」


彼はその日私を抱かなかった。
その代わりに一晩中抱きしめて、好きだと言ってくれた。


私は、彼の言葉を信じて待っていいの?


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