1弦の先を、君と。
―6弦―
chord C
空き教室の数が知れない
ただ意味も無く広い大きな校舎
その一番奥の突き当たり
3つ並んだ水道を横切り
角を曲がった扉の向こう
底深くまで届きそうな程吸い込んだ空気
影のかかった感情諸共追い出すようにして息を吐く
まだ冷たい風が肌を刺す、今日
引き戸式の取手に手をかけ開き
真新しい靴で仕切りを越える
それは確かに
待ち受ける未来(これから)を指し示す
大きな
大きな
一歩だったんだ
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