狂愛 ~二つの狂った果実~
僕は、この現実を見たくなくて…部屋の前から急ぎ足で自室に戻った…

自室に戻った後、僕は椅子に座りながらユラユラと揺れながら考えた。

沙戯斗「どうすればいいのか…」

溜め息が膝に掛かる。

その時扉からコンコンとノックがした。

沙戯斗「誰ですか?」

文樹「沙戯斗入っていいか?」

嘘だろ…!?今どうしてあいつが部屋の前にいる!?

さっきまであいつは、蛍香姉さんとあの部屋にいた筈なのに!?

そんな事を考えながら内心焦っている心を押し殺した。

沙戯斗「いいよ。入ってきなよ!!」

そう言うと部屋の外から「わかった」と声が聞こえた。

扉の開く音がする。

部屋に入って来て文樹を見る。

文樹の顔には、手のひら跡がくっきり見える。

沙戯斗「どうした?その顔?」

文樹「ちょっとね…」

沙戯斗「もしかして蛍香姉さんに叩かれたか?」

文樹「当たりだよ!!よくわかったな!!」

沙戯斗「お前の顔が物語ってるよ。」

文樹「そうか…ま~そうだよな!!」

沙戯斗「何があったんだ?」

理由を知っているが僕は、敢えて理由を聞いた。
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