Tokyo Dark Side
「そりゃあ俺だって、捜査の時にゃ違法な事だってやる事もある。『野獣』の権限を利用して、相当な無茶やらかした」

巽はソファに背中を預ける。

「だが、雛罌粟みてぇな非力な女に、こっちから有無を言わさず手を上げた事はない。ましてや聞き込みの時に、あんな脅迫や恫喝して情報を聞き出すような事はやらない。警官としても、男としても最低の行為だ」

あんな男が、クリスの代わりに捜査チームに入ってくるとは。

ましてや同じ『野獣』の権限を得るとは。

巽はそれが我慢ならないようだった。

「ったく、どうやったらあんな歪んだ性格になっちまうのかねぇ。人間性疑うぜ」

机の上に足を上げる耕介。

その言葉を。

「……」

倉本は黙って聞いている。

刑事部長の徳本から聞いた、我妻の過去を反芻しながら…。

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