Tokyo Dark Side
取り敢えずの現場検証が終わり、倉本は美奈を診療所へと送る。

いつもの白衣が汚れてしまった為、美奈は倉本の背広を借りて羽織っている。

「巽君は?」

「気を利かせたつもりらしい。先に警視庁へ戻った」

「そう」

美奈はクスクスと笑う。

「環ちゃんはいつも、こういう気分で巽君に送ってもらってた訳ね。悪くない気分だわ」

「何がだ?」

こういうのには疎い倉本、美奈の言っている事が分からない。

「じゃあ、お姫様を助けた騎士(ナイト)様って言ったら分かるかしら?」

「…そういうのは興味がない」

「あら、つれないわね。こういうのは巽君の方が一枚も二枚も上手ね」

「…すまない」

「別にいいわ。責めてる訳じゃないもの」

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