Tokyo Dark Side
「……」

カジモトの手の中の空き缶を見る美奈。

「力持ちね…私や環ちゃんや雛罌粟ちゃんを襲った象男も、物凄い怪力なんだって。倉本さん言ってたわ」

「…俺の事疑ってるんですか?」

美奈を睨むカジモト。

「こんな缶くらい、握り潰せる男は幾らでもいますよ。その程度で犯人扱いされたら堪ったもんじゃないです」

「…そうね。確かに空き缶くらいなら、他に潰せる人もいるわ」

白衣のポケットに手を入れて、美奈は穏やかに話す。

反論された程度で、その冷静さは失われる事はない。

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