Tokyo Dark Side
環に向けられる、拳獣の殺意。

それを、この中で唯一の警察官…永瀬は見ていた。

彼の喉元にもまた、暗殺者の伊庭の刀が突きつけられている

背後から首にあてがわれた刀。

少し刃を引けば、永瀬の喉元からは真っ赤な血が噴き出す。

動かないのが得策。

(…そんな訳があるか!)

永瀬は奥歯をギリッと噛み締めた。

市民の平和と安寧を守るのが、警察官としての職務。

他の警察官に情報開示せず、秘密主義を貫いて国家を守る公安捜査官とて、その事に何ら変わりはない。

永瀬は。

「っ!?」

暗殺者の伊庭をも凌駕する神速ともいえる動きで、背後の彼を背負い投げで床に叩き付ける!

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