Tokyo Dark Side
幸か不幸か、暗殺者達の標的は環1人のみ。

ならば永瀬が身を挺して環を守れば事は済む。

既に巽達に、この場所を伝えてあるのだ。

もうすぐ駆けつけるだろう。

5分か、10分か。

その間だけ、永瀬は環を死守すればいい。

「おい」

松岡が永瀬の髪の毛を摑み、引っ張り上げる。

ブチブチと髪の毛の千切れる音。

永瀬は苦痛に顔を歪める。

「標的は向井 環だが、邪魔するならお前だって殺しても構わないんだぜ?そこ退けろ公安」

それでも永瀬は環に覆い被さったまま動かない。

環と暗殺者達の間を遮る盾として、体を晒す。

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