Tokyo Dark Side
こいつらはヤバイ。

反射的にドアを閉めようとするが。

「おーっと」

チンピラの1人がドアの隙間に足を差し入れて、それを阻止する。

…男達は、鬼首會の五次団体。

言うなれば下っ端も下っ端、まさしくチンピラだった。

こんな下っ端に、本家の組長である鬼首が直接指示を出す筈もない。

彼らの行動は、独自の…言い換えれば下っ端の勝手な行動だった。

その行動というのが。

「我妻って刑事いるか。ここは『野獣』の溜まり場なんだろ?」

睨みを利かせながら言うチンピラ。

「…知りません」

抑揚なく、しかし気丈に雛罌粟は告げる。

我妻は同じ刑事でも、巽や倉本と行動を共にしていないのだ。

雛罌粟は本当に知らなかった。

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