Tokyo Dark Side
「なら倉本や巽はどこ行った?あいつらなら知ってるだろ」

「……聞いて、どうするんですか?」

雛罌粟の問いかけに。

「言われた事だけ答えりゃいいんだよっっっっっ!」

チンピラは罵声を浴びせる。

無表情ながら、雛罌粟の体がビクリと震えた。

と。

「おい怒鳴るな。お嬢さん怖がってんじゃねぇかよ」

チンピラの中でも兄貴分らしき男が、子分を窘める。

「いいかお嬢さん。我妻って刑事は、鬼首會(ウチ)の本家に殴り込んできて、組員に暴力振るった挙句、鬼首組長にも暴言吐いてったんだよ…そんな事されっ放しじゃ、鬼首會が嘗められっ放しって事になっちまうよなぁ?」

人差し指で、雛罌粟の顎を、ツツ…と撫でる男。

「お嬢さんは我妻か倉本達か…どっちかの居場所を教えてくれりゃいいんだ。後は悪いようにはしねぇからよ」

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