Tokyo Dark Side
「早く言えってんだよこの野郎!」

我妻はドカジャンの懐に手を入れ、中からデザートイーグルを抜いた。

自動拳銃としては最大級の大きさを誇るデザートイーグル。

道行く人々がそれに気づき、悲鳴を上げる。

騒然とする夜の歓楽街。

「我妻刑事、止せ。こんな街中で銃を抜くな」

「俺に指図するんじゃねぇよ。さっさと答えねぇと頭ぶち抜くぞテメェ」

倉本の制止も完全に無視。

我妻は恫喝を繰り返す。

これまでも、我妻はこうやって情報を得て、たった1人で捜査を続けてきた。

娘の人生を狂わせた事件の真相を知る為に。

事件の真の黒幕を知り、その黒幕に復讐する為に。

その為ならば、他のどんな犠牲を払っても構わないと考えていた。

それが犯罪者だろうと、一般人だろうと、同じ警察だろうと。

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