Tokyo Dark Side
倉本、巽、耕介。

我妻は捜査チームの全員と拳を交え、その誰もと互角の実力を発揮した。

まさに野獣に相応しい、凶暴なまでの力。

「調子に乗ってんじゃねぇぞこの野郎」

ゴミ捨て場に倒れた倉本の額に、我妻はデザートイーグルの銃口を突き付ける。

「ここでぶっ殺してやろうか、あぁ?」

「……」

額に銃口を突き付けられても尚、倉本は我妻を睨み続ける。

「何だその目は。あぁ?」

「……そんなやり方で」

倉本は目を逸らさずに言う。

「そんなやり方で、娘さんが喜ぶと思っているのか」

「何だとこの野郎!」

必要以上に声を荒げる我妻。

倉本が娘の事を知っていた。

その事に、驚愕も動揺もない。

「娘を助けたからって恩に着せるのかこの野郎!」

< 268 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop